concept
森田建築の家づくり
伝統構法の大工技術
伝統構法とは、西洋建築学の影響を受ける以前の日本建築のことであり「木の特性を活かし、木と木を組み上げて建物を構成する」のが最大の特徴です。
自然に対抗するのでなく自然と共生する価値観、多様で不揃いな自然素材を巧みに活かす高度な知恵や工夫が見られます。ユネスコの無形文化資産にという動きもあります。
私は20代に見習いから大工を始め、手刻みや墨付け、カンナ掛などの日本の伝統構法である技術を習得いたしました。
大工として、古くから継承されてきた職人の知恵と現代を生きる感覚に基づいて、自然をよみ、木を目利きし、加工することで、理想の住まいづくりを行いたいと思っています。
墨付け
一本一本の材木を、どの部分どのような向きで使ったらよいか、木と対話をしながら見極めて加工するための線を引いていきます。
これを「墨付け」といいます。
これを基に刻み等の加工をしていくため、家づくりをする上で非常に重要な工法です。
墨付けでただ1つ引いた直線から、どんなに曲がった木材を使用した場合でも、正確に建物を建てていける伝統構法ならではの技術といえます。
手刻み
墨付けの終わった材木を、ひとつひとつ「ノミ」や「カンナ」等の道具により人の手で加工していきます。これを「手刻み(手きざみ)」といいます。
手きざみでは、プレカットで使われない複雑な継ぎ手や仕口も使われます。
代表的な継ぎ手に「カマ継ぎ」や「アリ継ぎ」などと呼ばれる耐力の強いしっかりとした継ぎ手があります。
手刻みでは「その場所ごとにあったサイズの継ぎ手や仕口」とすることでよりしっかりとした骨組みを作ることができます。
かんな掛け
和室や真壁などで使う化粧柱を自分で調整したカンナを使い柱を削り仕上げる工法です。
現在のプレカット工法では、ペーパーやすりなどを使い仕上げる工法がほとんどです。
しかし、手で触れても違いは分かりますが、見た目もカンナがけの方が光沢があり、年数がたってもそれぞれの環境にあった色合いが出てきます。また造作材などは超仕上げなどの木工機械を使い生産性の向上をしたいと思っています。